なぜ、自己分析する必要があるのか、、。
端的にいうと幸せな仕事、幸せ人生に巡り会うためです。
自己理解とは、「自分の特性を知り、強みを活かし、弱みは仲間と補填し合うこと」
ついつい「自分はこうでありたい」という憧れから自分自身を偽り、自分の個性に合わないやり方や行動パターンを自らに課しています。
つまり、自己理解は人生を成功に導いてくための基盤であり、生き生きとキャリアを伸ばしていくための指針と言えるのです。
また、自分では良かれと思った行動が相手を不愉快にしたり、不安にしたり、傷つけたりするのです。
こうしたすれ違いはお互いの個性の違いを理解していないことが原因です。自分にとっては好ましい言動でも個性の違い相手にとってはストレス状態を生むのです。
そのため、自己理解だけでなく他者理解も同様にしていくためにはある程度の理論に則ったもので分析する必要があります。それが今回紹介するFFS理論です。
この理論で診断される個別性の特性を知れば、自分の強みや弱みだけでなく、「なぜこの場面で相手がこんな行動や考え方をするのか」「なぜ相手は不愉快になった」のかわかります
自分の個性を知り、相手の個性を知れば少なくとも相手をストレス状態に追い込むことはなく対話できるようになります。相手にとっては自分の言葉がスムーズに入り、関係の改善、向上につながります。
相手のタイプが違うと気づくことができれば、無駄な誤解や気まずさを避けられます。
さて、自己理解を深めていくためにFFS理論について説明します。
FFS理論とは、ストレス理論をベースに研究されたものです。人それぞれストレスを感じる状況は違います。その感じ方、捉え方の特性を5つに分類して軽量化したものです。
どの因子がいい悪いというものではなく、あくまでご自身の思考行動のパターンに影響を与えている因子を把握するものです。
A凝縮性因子
文字通り自らの考えを固めようとする力
こだわりが強く、自分の中で明確な価値規範を持っています
他人に流されず、ぶれない一方で自分の価値観に合わないものはなかなか受け入れないがんごな一面もあります。
B受容性因子
無条件に受け入れる力
優しくて面倒見が良く、柔軟性があるのが特徴です。
無理難題も聞いてくれるので、経験知が高いと頼もしい存在ですが、経験知が少ない場合には周りの要望を聞き入れすぎてキャリアオーバーになることもあります。
C弁別性因子
白黒はっきりさせる力
合理的で計算高いことも特徴です。
ドライで常にどうすれば合理的なのかを考えて行動します。
物事を都合よく割り切ることができる一方で、感情があまり介入しないので冷たく見られることもあります。
D拡散性因子
飛び出していこうとする力です。
活発で行動力のが特徴です。
直情的で、面白いことなら周囲を気にせずどんどん取り組むので「挑戦的だ」と評価される一方、飽きっぽいため周りを振り回すタイプでもあります。
E保全性因子
維持しながら積み上げる力です。
プランを立て、工夫しながらコツコツと進めていくのが得意です。
組織を作るのがうまく、周りと強調しながら動くことができます。
慎重で安全第一なため、なかなか行動できない時もあります。
日本人は「受容性」と「保全性」が高い傾向にある。
現状を維持しようとし、やりたいことがあってもおこないたくない。行うとしても失敗を避け、確実に準備してからおこないたいと思う。慎重派が多いのである。
また、人の話を傾聴し、周囲の穏やかな関係を保ちながら、組織の発展を考えている。周囲の協調性を持つことが得意である。
保全性の活かし方
最初の一歩が踏み出せないため、踏み出すための自信、道筋を与えてあげる。そうすることで安心して行動でき、積み上げることが得意なため、どんどん努力して、前に進んでいく。
最初の一歩を助けたあげる。
「保全性」が多い日本。同質であるからこそお互いをライバルだと感じる。現状維持が好きであるため、自分の地位を不安定にさせるものは、排除したいと思う。そのため、同じ席を狙うものとはライバル心を燃やしやすい傾向にある。
これは悪く言えば「足を引っ張り合う関係」だが上手に付き合うことができれば、「切磋琢磨する関係」になる。
保全性同士は「切磋琢磨」する関係になろう。
受容性の活かし方
人の希望を叶えてあげることに最大の喜びを感じる「受容性」
それゆえ、多くはあなたは何のために働いているの?の問いに正確に答えることができない
しかし、彼らは人のために人生を賭けることができる。
受容性タイプの人は人の話を聞くことを厭わないため、周囲の意見を考慮しながら意思決定できる。
全ての人の話を聞くことから少数意見にも耳を傾け、周囲の合意の上での意思決定がなされるだろう。
質の高い意思決定とは、周囲の人とどれだけ話し合えてたかと言うプロセスが必要である。
凝集性の活かし方
こうあるべきが原動力になる「凝集性」
こだわりは強いが、味方にできれば最強である。
こだわりが強い分、自らの価値観、道徳には従い、それを必ず守ろうとする強い意志がある。
そのため、自分の価値観が一緒である人間はとことん信じ、ともに戦ってくれる。顧客に真摯に向き合っている。一見、「関わりにくい」印象を受けるが、内側に入ってしまえば、強力になるだろう。
弁別性の活かし方
効率的、合理的が好きな「弁別性」
常に合理的な方法を模索し、無駄を異常に嫌う。そのため、普段もジョークや冒頭の会話を挟まず、単刀直入に本題に入っていきます。
「ドライ」と「冷たい」は別である。
弁別性の優しさは一味違う。普通の優しさは、話を聞いて、色々手助けしてあげるのが、受容性の優しさであるが、弁別性は自立を促すことが最大の優しさだと考えている。これを手伝ってくれない冷たい人だと勘違いされることが多いようだ。
来るもの拒まず、去るもの追わず」相談を受けたら、それに応えようと必死に動く。しかし、諦めたものには、関与しないし、諦めても本人の自己責任だとはっきり白黒はっきりつけるタイプである。
拡散性の活かし方
面白いことをしたいやワクワクしたいが好きな「拡散性」
自分の興味に忠実であり、他者がどうであろうと自分には関係ない。噂には流されず、自分で見たものを信じるタイプ。
誰もしていないことをしたい、オンリーワンでありたいと動いていくうちに自分軸から他人軸へ変化していきます。
周囲の困っている人へなぜ助けないの?と疑問を持ち、私が救いたいと考えるようになります。
新しいことを拡散性タイプの人が行い、それを継続していくのが保全性である。先駆者になれるのは拡散性。
保全性の高い人間を動かすには、その人の行動を揺さぶること。保全性の高い人間は安全な枠組みの中で安心する傾向があります。そのため、その中に入っていき、「私もあなたも向いている方向は同じです」と仲間意識を共有する
このように、人それぞれストレス状態、強み、価値観が違うだけで、悪い人はいません。適切な自己評価をすることで、他人の成功話に流されず、自分なりの成功を導き出せるのです。
成功している人間も真似をしても、自分のタイプでなければ伸び代も良くない。
自分で分析し、自分で考え、自分で実行する。きちんとこのプロセスができた人間は成功する。
また、本書は性格分析をした後、宇宙兄弟のキャラに当てはめてくれるため、イメージがしやすく、実践もしやすいです。
主に日本人に多い、受容性と保全性の話も多いですが、他の因子の話も詳しく書かれているのでおすすめです。
ちなみに私はビンセントホールドでした。