精神科作業療法士が話す。代表的な精神疾患(統合失調症編)
私は精神科の病院で作業療法士として働いています。
心身に不調をきたした人に対し、作業療法を提供しています。多岐にわたる疾患があり、それぞれの疾患、個人因子にあった治療を提供しています。
皆さんが生きてきた中で精神疾患を有している方にあったことがあるでしょうか。
ちなみに私は医療の学校に行くまでは、全く知りませんでした。
勉強していくと、身体障害領域、発達障害領域、精神障害領域で様々な疾患、それらに対する作業療法を学んできました。
今まで、ただなんとなく過ごしてきたら、そういった悩みを抱えている本人、家族に出会えなかったかもしれません。
世の中にこれだけの困っている、生活のし辛さを抱えている人がいるのだなと知れただけで、私の知見は広がり、価値観に幅を持たせることができたと感じています。
私も知らないのは、怖いです。しかし、知ると怖さが軽減され、合理的配慮ができるようになり、障害を受け止められるようになります。
そこで、今まで馴染みのなかった方にどうしても知ってほしいという思いで、ブログに掲載することにしました。
良かったら最後まで読んでね😄
統合失調症とは主に10代後半〜20代前半の思春期、青年期に発症し、人格、知覚、思考、感情、対人関係などに障害をきたす原因不明の脳の疾患である。
これは多くの精神科の病院で入院の半分程度を占める代表的な疾患です。
発病率は1%(100 人に1人)で性差もなし
症状は陽性症状と陰性症状に分けられる。
陽性症状は幻覚妄想、外部に表出される思考のまとまらなさの異常、奇異な言動など、明らかに正常ではない状態
比較的、発症初期に出現する。
陰性症状は感情鈍麻(感情の消失)意欲低下(行動範囲が減少する)無為・自閉など、外から見てもはっきりわからない状態
陽性症状が落ち着いてきた後に出現する。症状が慢性化することがある。長期入院の主な原因。
個々の症状
- 知覚の異常(幻覚)
多くの場合は幻聴である。単に声が聞こえてくるだけでなく、自分の考えていることが他人の声になって聞こえたきたり、自分が考えていることに批判する他人の声であったりする。
自分の中で最も恐れていることが他人の声として聞こえてくる。大変な苦痛をもたらす。
- 思考内容(妄想)
1次妄想と2次妄想があり一次妄想は、出現が理解ができない物2次妄想は辛うじて理解できる物がある。
一次妄想はなんとなく不気味、私は神だと確信してたり、落ちているものに特別な意味づけをしたりする。
二次妄想は人から見られているや他人から悪口を言われているなど現実では起きていないことが気になり出す。
- 自我障害
自分の考えや行動が他人から操られていると感じてしまう。考えが抜き取られている、自分が存在している感覚が薄れる症状。
- 意欲、行動の異常
自発性の低下(怠惰な生活を送るが退屈を感じていない状態)発動性の欠乏が見られる。自ら何を行おうとすることが薄れ、生活が不規則、身支度に無頓着になる。
- 病識の障害
何かおかしい感覚はあるが、体験している全てのことに客観的な判断ができない。
という様々な症状があります。
これが統合失調症という病気です。身体障害領域のような見てわかるような病気でないのが精神障害領域の難しいところです。
周囲からは「変な人」「怠け者」といったレッテルを貼られがちですが、その人の内部ではこのようなことが起こっているのです。
わかりにくいが故に、配慮されず、社会から切り離されてしまう人が多いです。この現状をなんとかしたいと常に考えています。皆さんの協力が必要です。
最後まで読んでくれた方ありがとうございました。みんなが障害を持つ方を少しでも認知し、理解が進み、合理的配慮が取れるようになることを祈っています。